刑事コロンボ
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私は考える。 李香蘭は映画を見るまでもなく美人だった。
幾ら歌が上手くても、美人でなければあれ程の人気は出
なかっただろうと。 李香蘭(山口淑子さん)は歌を歌わなく
ても、出演するだけで絵になる姿だった。 静かにゆったり
とした動作でも艶やかで、優雅で大陸的な雰囲気にマッチ
していた。 長谷川一夫が時代劇のスターならば、李香蘭
は満州のスターだった。 中国語を話し、その場に応じて
日本語でも歌った。 日本人の共感を呼び起こす、哀愁
に満ちたメロディーは一種独特な感じを生んでいた。
戦後の忙しい時代になって李香蘭のゆったりとした演技は見
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戦後、山口淑子が「李香蘭」の芸名を捨てて、「山口淑子」の本
名で映画に登場したとき、その美貌と声は素晴らしかったが、
李香蘭の面影が余りにも強かったために、いろいろの映画で
山口淑子が李香蘭を引きずりわざとらしさを隠せなかった。
原節子はおっとりとした東京娘を高峰三枝子はブルジョア娘
を演じたけれど、山口淑子には「李香蘭」が無理をしているよ
うに思えた。 私が山口淑子の歌を聞いて印象深かったのは
「流れ星」であった。 「つれない故にこんなに愛しい恋の流れ
星ーーーーー」の歌詞で、 キャバレーのホステスの歌う歌
は肉感を伴っていた。
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